◯タイでかかる税金・経費
(購入時)
●Transfer fee 移転登記料
物件価格の2%
買手と売手で折半(1%ずつ)する事が通常です。買手側が全て負担する場合、また逆にプロモーションで売手が全て負担してくれる場合もありますので、購入時によく確認して下さい。
物件本体価格は安くても、ここの負担如何では高い買い物になる可能性がありますので、注意が必要です。
●Special Business tax 特別事業税
所有後5年以内に売却する場合、物件価格又は公示価格の高い方の3.3%を売手が支払います。
新築物件は殆どデベロッパー(売り手)負担となるはずですが、物件の価格によってはかなり大きな負担になりますので、よく確認する事をお勧めします。
中古物件を購入する場合も同様に売り手側負担となるのか買い手側、もしくは折半とするのか確認が重要です。
●Stamp Duty 印紙税
物件価格の0.5%。
上記のSpecial Business Tax(特別事業税)を支払う場合には課税されません。
所有5年以上経過した物件を購入、売却するときにかかる税金とご理解下さい。
上記をまとめますと、コンドミニアム購入時は上記以外にも、管理費、修繕積立金、電気、水道のメーターデポジットなどもかかりますので、目安として購入金額の3%程度としておくとよいと思います。
また、毎月の維持費についてですが、タイでは不動産の維持費も大変に安く、一般的な物件で大体100〜120円/平米/月程度で、仮に50平米の物件として6,000円/月、72,000円/年程度です。この費用はコンドミニアム内の共用スペース(ジム、プール、駐車場など)の管理費となります。
新築物件を購入の際は、物件引渡し時に予め1-2年分位の管理費用をまとめて先払いする事が慣例となっています。
◯不動産からの賃貸収入(インカムゲインに対する課税)
▼タイ不動産の賃貸収入(インカムゲイン)に対する税金
毎月の家賃収入にかかる税金ですが、こちら外国人オーナーに対しても納税義務が生じます。
累進課税となり、タイの税法のルールがそのまま適用される形となります。
*日本居住者の場合、海外で生じた所得も日本国内で申告する必要がありますが、こちらは別途日本の税理士にご相談下さい。
あくまでタイ側で生じる税金ということで説明しております。
- 基礎となる所得(年間)タイバーツ/日本円換算税率
(所得) (税率)
0~150,000 THB / 45万円まで 0%
150,001~500,000 THB / 150万円まで 10%
500,001~1,000,000 THB / 300万円まで 20%
1,000,001~4,000,000 THB / 1,200万円まで 30%
4,000,001~ THB / 1,200万円以上 37%
たとえば3万バーツの月間家賃があるとして
以下試算してみます。
●課税額計算例
月間家賃収入 30,000 THB (9万円)
年間家賃収入 360,000 THB (108万円)
基礎控除 360,000 THB × 30% = 108,000 THB(32.4万円)
課税所得 360,000 THB – 108,000 THB = 252,000 THB (75,6万円)
0 ~ 150,000 THB 150,000 THB × 0% = 0
150,001 ~ 500,000 THB102,000 THB × 10% = 10,200, THB
支払税額年間:10,200 THB / 3万600円
課税比率:2.83%
※1バーツ=3円で計算。基礎控除額は一般的に総所得の30%。
▼タイ不動産の売却益(キャピタルゲイン)に対する税金
キャピタルゲインについてですが、物件資産評価額に上記の所得税と同一の税率を掛けて算出し、所得税として物件売却時に支払います。
タイの場合、実際の売買価格と登記価格、評価額が異なる事が多く、一概には言えませんが、売却時に100万バーツ程度(約300万円)のキャピタルゲインがあった場合は、上記スケールに合わせると13万5000バーツ(40万5000円)の所得税を納める事になります。課税比率は13.5%です。
キャピタルゲインの計算方法はケースバイケースで異なりますので、あくまで参考までとお考え下さい。
◯日本でかかる税金
日本に住民票を置く、日本居住者の場合、海外で生じた所得についても、日本国内で課税されますので、申告`および納税の義務があります。
その際、タイと日本での2重課税を調整するために、投資所得からタイで納税済みの一定額を控除することが可能です。
詳しくは日本の税理士など専門家にご確認、ご相談下さい。
◯その他の諸経費
タイの不動産を購入するにあたってかかる費用や税金は上記の通りですが、これに加えて必要となるのが、物件の情報提供や現地アテンド&コーディネート、物件選定から契約、物件の引渡しまでをサポートしてくれる仲介業者や契約書のチェックを行なったり、法人から購入する場合など複雑な取引の際にアドバイスを求めたり、課税金額の圧縮や、権利を保障するために諸々の手続きをしてくれる不動産取引の専門家(弁護士など)への費用などがあります。
海外不動産投資は国内とも勝手が違うため、費用は架かりますが、現地の事情や商習慣に精通した、信頼できるプロのサポートを受けながら、任せるところは任せて、投資判断なされることが大事だと思います。